野球肩とは、投球傷害肩とも呼ばれ、野球の投球動作をはじめとする、水泳（クロール・バタフライ）やテニス（スマッシュ）、バレーボール（アタッカー）、ハンドボールなど腕を大きく振る動作を繰り返すスポーツに発生しやすい肩の痛みです。

基本的には肩の使い過ぎによって肩に過剰なストレスがかかり、炎症や損傷が起きることで発症するといわれています。

野球肩の原因のほとんどは肩の使い過ぎによるものが多いです。

投球動作の繰り返しにより肩関節に過剰なストレスが加わり、炎症や損傷が起きてしまいます。

野球肩と総称される痛みの原因にはいくつかの種類があります。

その中でも原因として多いものを紹介いたします。

□インピンジメント症候群

腕の骨の先端が肩甲骨の突起などに衝突して炎症や損傷を引き起こす症状です。肩よりも腕を高く上げる動作が繰り返されることで発症します。引っ掛かり感を感じ、それ以上腕を上げられなくなるのが特徴的です。

□上腕骨骨端線離開

成長期に多くみられるためリトルリーグショルダーとも呼ばれます。

成長期の骨は大人の骨に比べて強度が低いため使い過ぎにより上腕骨の骨端線に離開が生じます。放っておくと成長障害が起きる可能性があります。　　

□腱板損傷

棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋を総称して腱板と呼びます。肩関節とこれらの筋肉が衝突して起こる損傷を腱板損傷といいます。過剰な肩の回旋運動によって生じます。痛みで肩が上がらなかったり、筋力の低下などが起こります。

□肩甲上神経損傷

腕を振り下ろす動作の時に肩甲上神経が締め付けられ痛みやしびれを感じてしまう障害です。バレーボール選手など野球以外のスポーツでも起こります。

野球肩（投球傷害肩）の治療は保存療法（リハビリ）が基本です。

症状によって差はありますが、数週間～数か月の投球休止（ノースロー）期間を設けます。

ノースロー期間中はリハビリで肩周辺の機能改善（柔軟性向上や筋力強化）、全身のコンディショニングを徹底して行います。

・可動域拡大のためのリハビリ

・肩や股関節、体幹のストレッチ

・筋力強化のためのエクササイズ

・投球動作指導

・自主トレーニング・ストレッチの指導

・物理療法（アイシング、電気療法、超音波治療など）

などを実施します。

ノースロー期間にしっかりと全身の機能を改善させて、投球動作に耐えられるからだを作ることが非常に重要になります。