人間の筋肉は筋線維の束がまとまっていることで力を発揮しています。この筋線維の一部が損傷したり、部分的に断裂してしまったりすることがあります。このような症状のことを、「肉離れ」と呼んでおり、引き起こしてしまうと激痛を伴います。肉離れになることで筋肉が正常に動かなくなってしまい、自力での歩行すら不可能な状態になるのです。

肉離れは筋肉のあらゆる部位で引き起こす可能性がありますが、特に太ももやふくらはぎなどの足によく見られます。

原因として一番多いのが、筋肉に負荷の高い行動を突発的に行うことで、スポーツ選手などは注意が必要です。肉離れの原因として具体例を挙げると、筋肉に疲労がたまっている状態でのダッシュや、急に高いところから着地するといったことが考えられます。 このような突発的な行動はスポーツでは頻繁に行われているので、行動の制限は非常に難しいものです。そこでスポーツや運動をする前には、筋肉がしっかり温まるまでウォーミングアップを行うことや、運動後の時間をかけたクールダウンが大切になります。特に筋肉が引き伸ばされる行動が考えられるときは、常に負荷が加わり過ぎていないか意識しておきましょう。

医療機関に行くまでに少しでも痛みを緩和するために、肉離れになったときは下記の方法を実践してください。

肉離れには強烈な痛みとともに歩行困難になるものから、少し違和感がある程度の軽度な痛みまで、症状もさまざまです。

重症の場合は患部に強い内出血が見られることもあるので、できるだけ早く医療機関に行くことをおすすめします。

肉離れになったときに自分で行える対処方法には、「RICE処置」と呼ばれる方法があります。

「RICE処置」とは、

安静（Rest）

冷却（Icing）

圧迫（Compression）

患部を高いところに上げる（Elevation）

の頭文字をとったもので、安静から順番に行います。軽度の肉離れの場合は安静にしておくことによって1週間ほどで自然治癒することがありますが、決して患部を温めることはしないでください。

整骨院で肉離れの治療を行う場合には、いち早く社会復帰ができるために段階的な治療を行っていきます。まずは痛みを伴い自力で動かすことが困難な患部に応急処置を行い、痛みを緩和していきます。痛みが緩和されて、ある程度自力で動かせるようになれば、ストレッチや手技によって、硬くなった筋肉をほぐして柔軟性を取り戻していきます。

 手技などで筋肉に柔軟性が戻れば、肉離れになる前と変わらないくらいに動かすことができるようになります。

その後は超音波治療などを繰り返していき、肉離れを再発しないように治療していく流れになっていきます。そのため整骨院では痛みの緩和だけではなく、再発予防まで行うことができるので完治を目指せます。

肉離れは一度引き起こすと再発しやすいと言われていますが、できれば再発はしたくありません。肉離れの治療中から治療完了後も続けられる再発予防の方法があります。肉離れを引き起こした患部の筋肉は一度破壊されているため、ほかの部位の筋肉よりも弱くなっています。その弱っている筋肉を十分に強化しないままに、強い負荷を加えることで再度肉離れになってしまうのです。そのため一度肉離れになった部位に関しては、ストレッチで筋肉の柔軟性を取り戻すだけではなく、徐々に負荷をかけていき元の状態まで強化することが必要になります。